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PRN3D 組み立て調整について [PRN3D]


組み立て調整といっても要点はとにかく機器の下から上へと順番に水平を出すことです。

要点は以下の7つです。

・作業台の水平をだす
・Y軸の直角を確認する
・フレームの水平をだす
・Y軸ロッドの水平をだす
・ヒートベッドの水平をだす
・X軸ロッドの水平をだす
・Y軸の直角をキャリブレーションスクエアを印刷して再確認する


~前説~

PRNは低価格を実現するためにPLA素材で作られたプリントパーツを多用しています。PLAは柔軟性に乏しいため、ネジの締めすぎによるプリントパーツの変形/歪みに注意してください。とくにy-endパーツのロッド締め込みの箇所は締めすぎるとy-endパーツの端が曲がってしまい、ヒートベッドのレベリング調整用のネジの高さと向きがアベコベになるので注意してください。

また、あまりこの様なことは書き込みたくないのですが、私が受け取ったキットのプリントパーツの印刷品質はあまりよろしくありませんでした。角のRの膨らみ具合がバラバラなのでバリ取りや面取りをちゃんとしないとパーツ同士の接合面のズレによる歪みが生じます。また、プリントパーツの最下層が著しく潰れているため設計どおりの高さが出ていないパーツもあります。私の場合はこれら影響する個所で特に以下の3点ほど修正をしています。

・footパーツ
 →削ったりして調整したけど最終的には既製品に入れ替た
・エクストルーダーのe-quickパーツの幅が不足しているためネジを締めるとヒートシンクとファンがあらぬ方向に曲がる
 →ワッシャーを挟んで調整した。
・z-couplingパーツの接合面を設計サイズ以上に削った
 →先日の内容のとおり、Z軸送りネジをキツク締めつけセンターをしっかり出す為です

また、今回説明する調整方法はフレームを組んだ時点でフレームが正確に組まれている事を前提としてます。Z軸シャフトはbaseLパーツとbaseRパーツをフレームに組み付けた後、双方のシャフト穴の間隔を頼りにZ軸シャフトが垂直になるようにz-rod-clamp_Lパーツとz-rod-clamp_Rパーツの位置を調整してください。

http://ginger-soft.blog.so-net.ne.jp/2013-11-30

前説が長くなりましたが、前述のプリントパーツの印刷品質の問題により単純にくみ上げただけでは印刷時のレベル調整が難しいので水平器を用いて水平を基準に組み立て調整します。



~調整方法~

用意するもの(公式ガイドに記載されていない工具)
・長さ106mm以上の水平器
・プリント用紙などの紙
・ノギス
・直角定規
・110mm四方以上のグリッド入りのカッターマット
・ヒートベッドを外した状態で仮組みしたPRN3D

(この時点ではまだPRN3Dの電源は入れません。)


IMAG0549.jpg


IMAG0551.jpg

1、作業台の水平を確認します。
 水平が取れない場合は作業台の脚の下にプリント用紙などの紙を挟んで調整してください。

2、footパーツを一旦外してノギスで高さを測ります。
 高さが違う場合はヤスリで削ってそろえます。もしくはモノタロウで以下のゴム足とM4x20のボルトを買って交換してください。終わったら元に戻します。(※上の写真ではすでに既製品のゴム足に入れ替えてあります)

 http://www.monotaro.com/p/0933/2644/

3、フレーム各所に水平器を当ててみて水平を確認します。
 歪んでいる場合はフレームの組み付けを修正します。(どこまでやるかはセンスの問題だ~`・ω・´キリッ といって逃げておきますw)

4、Y軸の直角を確認します。
 y-blockパーツの側面の角のRが膨らんでいる場合は事前にヤスリで削り落とします。y-blockパーツの側面に直角定規をあて、手前のフレームと直角になっているか確認します。ずれている場合は調整し直します。y-blockパーツのねじの取り付け位置はフレームのセンターより10mm右側がお勧めです。

5、Y軸ロッドの水平を確認します。
 Y軸モーターケーブルを外してからY軸を手で前後に動かしてみてY軸ロットエンドと作業台の高さが変わらないことを確認します。左右のロットエンドで高さが違っていても2mm以内であればヒートベッドのレベリング調整で吸収できるので問題ありません。前後に動かしてロッドエンドの高さが変わる場合はY軸ロッドがZ軸に対して直角になっていません。y-bearing-holderパーツのネジの締め付けによる変形にも注意してください。(締め付けすぎるとベアリングが持ち上がります。)ネジの締め付け具合を確認しても水平が取れないようであればy-bearing-holderパーツとy-blockパーツの接合面を削って角度を調整し、ロッドがフレームに対して水平に出し入れされるように調整してください。終わったらY軸モーターケーブルを元に戻します。

6、ヒートベッドの水平を確認します。
 ヒートベッドを取り付け4隅のローレットネジを回して水平を調整します。下の写真の様にヒートッドは手前の左から3番目の穴と11番目の穴に取り付けます。(上の写真では4番目の穴と12番目の穴になっていますが、その場合はy-blockの取り付け位置がフレームセンターより22mm右側になります。)ローレットネジを締め込み切っても水平が取れない場合はy-endパーツの変形による歪みを疑ってください。

歪んでいる例orz

IMAG0491-2.jpg

7、PRN3Dの電源を入れPronterfaceにて各軸をホームポジションに移動します。
 リミットスイッチの取り付け位置と調整方法は公式マニュアルを参照ください。
 http://www.micro-factory.net/3dprinter/assemble.html#limit-sw
 http://www.micro-factory.net/3dprinter/pronterface.html
 この時点ではZ軸のホームポジションはヒートベッドからホットエンドノズルまでの高さを5mm程度に調整しておきます。

8、X軸ロッドの水平を調整します。
 x軸をホームポジションから+方向に移動してホットエンドノズルとヒートベッドの間隔が変わらないことを確認します。間隔が変わる場合はx-endRパーツ側のz軸モーターのケーブルを外してモーターの軸を手で回してx軸の高さを調整します。※ケーブルを外し忘れるとモーターを手で回すことによる起電力により反対側のモーターが吊られて動きます。調整が終わったらケーブルを元に戻します。(※写真では分かりやすいようにZ軸の高さを上げていますが、実際にはヒートベッドとホットエンドノズルの間隔は5mm程度から始めて徐々に1mm以下に追い込んでください)

9、Z軸ホームポジションの再調整
 Y軸/X軸の水平が確認できたらホットエンドノズルとヒートベッドの間隔を0.1mm程度に設定します。プリント用紙1枚分です。Y軸/X軸を適当に動かしてみてホットエンドノズルとヒートベッドの間隔が著しく変化しないことを確認します。著しく変化する場合は1から調整をやりなおしてみてください。

10、Y軸の直角をキャリブレーションスクエアを印刷して確認します。
 キット付属のPLA樹脂でレイヤーの厚み0.2mmで100mm四方10mm幅のキャリブレーションスクエアを印刷します。
 キャリブレーションスクエアは以下からダウンロードしてください。

  http://www.thingiverse.com/thing:27773 四角だけ
  http://www.thingiverse.com/thing:38096 四角+丸

 印刷が終わったら印刷物をグリッド付きのカッターマットに当てて四隅が直角に印刷できているか確認します。台形に印刷されている場合はX軸に対するY軸の直角がずれているのでヒートベッドを外してY軸の固定ねじをはずし、y-blockパーツの取り付け角度を調整して再度ヒートベッドの水平調整からやり直してください。

おまけ:プリント物をベッドからはがすときの注意点
 板ガラスが十分冷えれば勝手に剥れます。よって板ガラスだけをヒートベッドから外して冷やせばすぐに取れます。板ガラスがさめないうちに板ガラスドをヒートベッドに付けたまま無理やりはがそうとするとY軸の取り付けが歪むので絶対に止めてください。
 逆に言うとPRN3Dの構造上の弱点はココです。より精度と印刷ごとの確実性を求めるならy-blockパーツとy-bearing-holderパーツとy-endパーツを歪みの少ない構造に変更するかアルミフレームタイプのMendelとかPurusai3やATOMの様にロッド据え置き型のY軸にする改造する必要があると思います。

以上で組み立て調整の解説は終りです。

キャリブレーションスクエアの印刷に関してはヒートベッドもあり、印刷物の高さも5mmなので印刷開始時の高さ調整が間違っていなければそれほど酷い失敗は無く完走できるはずです。

IMAG0518.jpg
http://www.thingiverse.com/thing:24238 5mmキャリブレーションキューブステップとの印刷例

curaを使って印刷する際に必要な調整はフィラメントの特性とホットノズル/ヒートベッドの温度設定、周囲温度、等のパラメータによって左右されるのでとてもじゃないけど説明しきれません。トライ&エラーを繰り返すしかないとおもいます。

「3Dプリンタ」「reprap」「キャリブレーション」「PLA樹脂」「ABS樹脂」等の検索ワードでぐぐってみてください。


以上で終わります~長文失礼しました~お疲れさまでした~( ・ω・)ノシ

 


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イマイ

自分も組み立て終わって印刷できるようになりましたが、
精度とかは気にしていなかったのでこちらの内容を参考に
調整してみますm(__)m
by イマイ (2013-12-20 23:22) 

たぬきち

フォト蔵で公開されていますよね?エクストルーダーのM6ボルトの留め方参考にさせていただきました。公式マニュアルの留め方よりイマイさんの留め方の方がコアとバレルが緩み難かったです。

さきほどココに書ききれなかったネタを新記事でうpしました。また参考にしていただけるとうれしいです ^o^ノ

by たぬきち (2013-12-24 01:20) 

イマイ

そうです。フォト蔵でいくつか画像貼ってます。
こちらこそ色々参考に出来る記事ばかりなのでこれから調整し甲斐があります(^^♪
自分も気になる部分のパーツを出力し直したりしつつ手をかけて行きますね。

それでは~ノシ
by イマイ (2013-12-26 23:28) 

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