OVK01 明成化学3Dプリンタ用フィラメント『3D Prinstar』レビュー その5 接着編part2 [OVK01]
アクリサンデー接着剤(二塩化メチレン)でも十分に接着できるとのメーカー情報を元に3D Prinstar用の溶剤としてのアクリサンデー接着剤を検証してみます。
※アクリサンデー接着剤は使用上の注意を良く読んで換気が十分に確保された環境で使用しましょう。
印刷物を適当に切り刻んで、アクリサンデー接着剤に漬けてみます。アクリサンデー接着剤は常温でも気化が凄く早いので、都度ガラス板で蓋をしながら作業します。
溶けてきました。
完全に溶けました。溶液は乳白色です。
溶液ができたのでついでに溶着を試してみます。
ちゃんとくっつきました。純アセトンでの溶着に比べてしっかりくっついています。机の上から落としても割れません。
十分な強度が得られるまでに十分な乾燥時間が必要なのは純アセトンでの溶着と同様です。毛管現象での吸いあがりも同様です。
溶着に関しては刷毛塗りした方が塗布量の調整がしやすいと思います。
印刷物同士をくっつけるという観点ではアルテコプライマー+ゼリー状瞬間接着剤の方が断然作業性が良いです。
おまけでM4ネジを嵌りそうな穴に無理やりねじ込んでみました。
ちゃんの締めたり抜いたりができます。
さて、明成化学の3Dプリンタ用フィラメント [3D Prinstar] ですが、接着に若干制限があるものの、切削もできる、研磨もできる、塗装もできる、アセトン蒸しもできる、と一般的にABS樹脂と呼ばれているフィラメントで印刷した印刷物と遜色ない基本物性を備えている状況をお伝えしてきました。
いま一度メリットとデメリットを纏めてみます。
メリット
・融けたフィラメントの粘性が高く不用意に垂れないので、寸法精度を狙った造形に向いている
・推奨印刷温度が210℃と低い為、ノズル付近までPTFEチューブを入れて押し出し抵抗を減らしたホットエンドで使用できる(押し出し抵抗が減るということはそれだけノズル先端から不用意な垂れが減る)
・一般的なABSより反りが少ない
・印刷中の臭いが少ない
・フィラメント径がそろっているので積層がランダムにはみ出す様な事が無い
デメリット
・粘性が高いということは積層が厚い印刷では下層との密着が不十分となり、積層割れの原因になる。
・粘性が高いということは印刷速度を上げると下層との密着が不十分となり、積層割れの原因になる。
・印刷速度が上げられない為、大型の造形では印刷時間が増える
・粘性が高いということはフィラメントの射出量を適正に管理しないと、ノズルの先端に余分なフィラメントが付着しやすく、お焦げ玉の原因となる。
→ちなみにこの件に関してですが、対策はありまーす。いずれ別件で報告いたします。
・フローを減らせばノズル先端に付着する余分なフィラメントが減るが、その分下層との密着が不十分となる。
以上
コレにてレビューを終わりにしまーす。
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