SHAPEOKO2 Pololu互換DRV8825モジュールの電流調整 [SHAPEOKO2]
今更ながらのPololu互換DRV8825モジュールの電流調整の手順です。(※Pololu純正品ではなくあくまで互換品ですのでご注意を)
モーターに流せられる最大電流IはDRV8825のデータシートによると I=Vref/(Risence*5) です。
RisenceとはDRV8825のIsenceA/B端子に繋がっている大きめサイズのチップ抵抗のことで、上記のモジュールではボリューム抵抗の上にあるチップ抵抗のことです。値は0.1Ω(①)です。
よって上記の基板の場合、モーターに流せられる最大電流値 I は Vref/0.5 = 2*Vref ということになります。
次にVrefの算出に必要なボリューム抵抗の抵抗値を測ります。
ボリューム抵抗はDの字型をしており上の写真ではDの字型の直線部分が左にきています。ボリューム抵抗全体の抵抗値(固定端子間の抵抗値)は8.0KΩ(②の値)です。稼動端子-GND間の抵抗値は中点より少し上、4.7kΩ(③の値)辺りを指しています。
Vrefの値はモジュールのVMOT端子に電圧を印加したらDRV8825の15番ピンから出力される3.3Vの値をボリューム抵抗で分圧した値になります。
上記の写真の状態では、Vref=3.3*(4.7kΩ/8.0kΩ)= 1.93875V となってるはずです。
よってモーターに流せられる最大電流はVrefの2倍なので約3.88Aになります。
さらっと3.88Aと書きましたが、ヒートシンクも付けずに裸で電源を投入して3.88Aも流れれば加熱保護機能(サーマルシャットダウン)すら間に合わずに速攻で壊れますw もちろんデータシート上の定格最大電流(2.5A)も超えていますwww
いや、普通Rsenceの値はデータシート標準の0.2Ωを選択するでしょ ;_;
というわけで上の写真は壊れたDRV8825ですw 皆さまにおかれましては電源投入する前にモジュールについているRsenceの抵抗値とボリューム抵抗の値の確認を忘れずに、、、
DRV8825をヒートシンクなしで動かすには1.5Aの設定が限界らしいので、ひとまず1.0Aの設定値になる様に③の抵抗値を1.2kΩに調整します。
自分が買ったPololu互換DRV8825モジュールではボリューム抵抗を時計回りに回してDの直線を上側より少し右斜め下がりにすると抵抗値は約1.2KΩになります。
想定されるVrefは3.3*(1.2/8)=0.495Vとなり、同じく想定される電流は0.99Aになります。
ここまで調整したら、ようやく安心して、VMOT電源を投入します。
後はデジタルテスターでVrefの値を実測し、0.75V(1.5A設定)を超えない値に調整します。
ひとまずはVref=0.5V(1.0A設定)で動作させてみます。
以上今更ながらのDRV8825調整方法 = 備忘録でした。
DRV8825の調整方たいへんお世話になりました。ありがとうございます。
by konkonmomo (2017-03-31 13:38)
ご参照いただきありがとうございます。お役に立てて光栄です~
by たぬきち (2017-04-01 00:23)
助かりました。今までユニポーラでSLA7078MPRTを使っていて、少し不安だったのでこのブログにたどり着いたのですが、おかげでギリギリで吹っ飛ぶのを回避できました。何しろ出費が増えなくてよかったです…
仲間はストロベリーリナックス製のを使っているそうでそういう問題にはあわなかったとか言っていましたねー、詳しいことや回路図とかは見ていないのでわかりませんが…
by makochan12.9 (2017-04-07 14:18)
DRV8825のデータシートではRsenseの値は0.2Ωが推奨されています。0.2Ωだと、ボリューム抵抗が真ん中ぐらいを指していれば出力電流値は1.7Aぐらいで最大定格の2.5Aを上回ることがないのですが、上記の安互換モジュールではなぜか0.1Ωが使われているせいでボリューム抵抗の設定をちょっと間違えるとすぐにICが飛んで行ってしまいます。ストロベリーリナックスさんのDRV8825モジュールはちゃんと0.2Ωが採用されているので最大定格を簡単に上回ることが起きにくいのです。
いずれにせよ、電源投入する前によく確認しましょうというのがこの記事の主旨ですのでお役に立てて良かったです^^ノ
by たぬきち (2017-04-07 23:46)